2009/07/03

ぼくの妹

『ぼくの妹』 4/19〜
TBS系 日曜9時  期待度 ★★☆☆☆

オダギリジョーと長澤まさみが共演する
究極の兄妹愛を描いたヒューマンストーリー。
脚本は池端俊策。

出演は他に、千原ジュニア、ともさかりえ、
大滝秀治、若林豪、田中哲司など。

兄と妹のストーリーだけでなく、
父と娘、富める者と貧しい者、若者と高齢者など、
さまざまな関係の登場人物で人間を描いていくらしい。

オダギリジョーと長澤まさみのダブル主演は興味を引くものの、
典型的な八木康夫の日曜劇場になると
派手さがなくなって厳しいかも。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ぼくの妹  第1話

制作プロデューサー:八木康夫
プロデューサー:高橋正尚
演出:金子文紀
作:池端俊策
音楽:河野伸
主題歌:「ふたり」いきものがかり
制作:TBS
出演:オダギリジョー、長澤まさみ、千原ジュニア、田中哲司、
   鈴木砂羽、ともさかりえ、大滝秀治、若林豪、笹本玲奈、
   西原亜希、山田明郷、佐戸井けん太、他

想像していたものとはかなり違って、
やたらと具体的に事件が起きた初回だった。
もう少しほのぼのしたテイストかと思ったんだけど…。

盟(オダギリジョー)と里子(ともさかりえ)が
唐突にキスをして寝てしまった時は、
なんじゃそりゃと思った。

ただ、里子が何かを仕掛けてる展開ならまあいいかと思って見ていたら、
やっぱり里子の言っていたことは嘘で、
それを盟が疑いつつも指摘すると、
そのあとに里子が死んでしまうというラスト。
しかもその現場に颯(長澤まさみ)がいたりするし。

颯がヤクザにお金を取られそうになったあと、
盟と颯が橋の上で話していた時のような雰囲気は分かる。
ああいうせつない兄妹の関係をもっと前面に出して描くと思ったんだけどな。
意外とそれをとりまく要素が多い感じの内容だった。

とりあえず初回としては、
いろいろ詰め込みすぎた印象。
でも、この先どうなるか気になるところもあるので、
次回はもう少し整理して話を進めて欲しい。

            採点 6.0(10点満点平均6)

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ぼくの妹  第2話

演出:金子文紀
作:池端俊策

終盤に盟(オダギリジョー)と颯(長澤まさみ)の会話があって、
そこで兄妹愛を描くというのがパターンらしい。
ただ、そのためのエピソードが、
サスペンスなのか、コメディなのか、
よく分からない感じ。

茂子(鈴木砂羽)が盟の病院に現れたシーンなんかは
ちょっとコミカルな雰囲気だったのに、
颯と瀬川(田中哲司)の部屋に乗り込んで行った時は
やっぱり修羅場になったし…。

病院の理事長(若林豪)やその娘の春奈(笹本玲奈)も
どちらかと言えばコミカルな動きだったけど、
全体的には里子(ともさかりえ)の死亡を引っ張ってるし、
九鬼(千原ジュニア)も盟に接触してきたので、
謎は深まっていく感じになってる。
もう少し全体のトーンは統一して欲しいなあ。

いや、人間のさまざまな面や
世の中のいろんな部分を描くという意味ではいいんだけど、
あくまでのドラマのトーンとして。

あと、どういう設定かまだ分からないけど、
千原ジュニアは関西弁の方がよかったような気がする。

            採点 6.0(10点満点平均6)

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ぼくの妹  第3話

演出:加藤新
作:池端俊策

里子(ともさかりえ)と九鬼(千原ジュニア)の関係が
身の上とともに九鬼の口からかなり詳しく説明された。
こっちもどこかに兄妹関係がないとつり合わないとは思ったけど、
九鬼は里子の兄と幼馴染みで、
一緒に働いている時に事故に遭ったということだった。

で、その里子の兄が植物状態で2年生きたという説明で、
その時にかかったお金が300万円だったと。

それにしても終盤の貧富の差の描き方は
ずいぶんとストレートだったなあ。
というか、基本的にこういう切り口なんだろうな。

やっぱり個人的にはもっとささやかなエピソードの積み重ねで
兄妹愛を描いて欲しかった。
日曜劇場という枠を考えるとなおさら。

            採点 6.0(10点満点平均6)

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ぼくの妹  第4話

演出:加藤新
作:池端俊策

里子(ともさかりえ)と最後に会ったのは自分だと
颯(長澤まさみ)が盟(オダギリジョー)に告白。
里子のスカーフの位置は初回からおかしかったので、
その理由も含めて話したところをみると
内容に嘘はなさそう。

その会話のあとで盟と颯が
それぞれに自分の気持ちが納得できないと言いながら
お互いを思いやるところはスムーズだった。

盟が九鬼(千原ジュニア)の気持ちも考えているのは
前回の終わりから今回の前半にかけて描かれていたので、
最終的に盟が警察へ行くと言った部分にも説得力はあったと思う。
ラストで颯も九鬼に電話をしていたので、
颯は颯で盟を思って何か動くんだろうけど。

櫻井(大滝秀治)の絡め方も自然だったし、
千原ジュニアのアクセント以外はかなり見やすくなった。

            採点 6.5(10点満点平均6)

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ぼくの妹  第5話

演出:清弘誠
作:池端俊策

櫻井(大滝秀治)は九鬼(千原ジュニア)の父親だった。
そうなると櫻井が助かっても助からなくてもドラマが動きそうだけど、
キャストの幅を考えれるとぜひ助かって欲しい。

盟(オダギリジョー)と颯(長澤まさみ)が
九鬼の境遇に共感するようにもなって、
それぞれに距離感が離れたり縮まったりしてきたのも面白い。

やっとこの作品の企画趣旨というか、
目指したいところが伝わってきた感じだなあ。
日曜劇場で、このタイトルで、
オダギリジョーと長澤まさみの共演ということで、
かなり先入観を持たれたスタートだったけど、
中盤になってやっとニュートラルな気持ちで楽しめるようになった感じ。

登場人物は決して多くないものの、
さらに物語は深くなりそうなので
後半戦も期待したい。

            採点 6.5(10点満点平均6)

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ぼくの妹  第6話

演出:金子文紀
作:池端俊策

颯(長澤まさみ)と九鬼(千原ジュニア)の距離が
どんどん近づく展開に。
同情や共感も入り交じった颯の気持ちだけでなく、
九鬼も里子(ともさかりえ)の面影を颯に見ているので、
この関係は進みそう。

そうなると父親代わりでもある兄の盟(オダギリジョー)としては
おだやかでいられなくなるわけで、
ラストの食事をしながらの言い合いは
このドラマらしい兄妹喧嘩で印象的だった。

春奈(笹本玲奈)も単なるわがままなお嬢様ではなく、
医師としては一流でも野心や出世欲がない盟のことを
本気で気になっている様子。
ここも進展があるとかなり面白いんだけど。

ただ、一度は手術で回復した櫻井(大滝秀治)が
やっぱり死んでしまう感じ。
次回はその櫻井と九鬼のシーンで泣かされそうだなあ。

九鬼にも大きな変化が出るだろうし、
かなり見応えが出てきた。

            採点 6.5(10点満点平均6)

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ぼくの妹  第7話

演出:清弘誠
作:池端俊策

意識が朦朧とした櫻井(大滝秀治)から真実を聞き、
その直後に櫻井が亡くなるという展開のあとも、
九鬼(千原ジュニア)の感情を
不自然に盛り上げたりしないところは良かった。

それでも颯(長澤まさみ)がそばにいたことで
九鬼の変化は描けていたし、
2人の関係が進んだことで
盟(オダギリジョー)の気持ちも面白く描けたし、
派手さはないけど印象的な回だったと思う。

櫻井の故郷が盟と颯が育った町の近くだったのは、
終盤に向けての新たな展開かも。
そこで颯が子供の頃とは違う夢を語り、
盟が颯のことを心配するシーンは、
これまでの内容が活きていて
序盤の頃の回とはまた違った趣があった。

個人的には盟が九鬼に900万円を渡しながら
“これで五分だ”と言ったところも、
盟のキャラクターが出ていたいいシーンだったと思う。

            採点 6.5(10点満点平均6)

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ぼくの妹  第8話

演出:森嶋正也
作:池端俊策

九鬼(千原ジュニア)が重い病気にかかるという
ちょっとイヤな展開。

でも、このドラマはあくまでも
盟(オダギリジョー)と颯(長澤まさみ)の兄妹の話なので、
迷いもがいて幸せになろうとしながらも
なかなかうまくはいかない2人が、
お互いをどう思いやっていくかだと思う。

そのあたりは丁寧に描こうとしてるので、
こういう展開になっても諦めずに最後まで見ていきたい。

で、今回は盟が遺骨を届けた岡山絡みで
また新たなキャラクターが登場。
この機美(西原亜希)がなかなか良かった。

西原亜希はこういうちょっと垢抜けないけど憎めない
明るい感じの役は合ってると思う。
盟とのバランスも悪くなかった。

900万円を返された春奈(笹本玲奈)が
ああいう形でしか気持ちを表現できないのも
キャラクターとしてはムリがなくて、
樹美と春奈の違いはちょっと面白かった。

“不幸にならないように祈ってて”と言う妹の颯も含め、
盟に関係する女性の描き分けは印象的だった。
そのことで盟のキャラクターがさらに引き立たってるところがまたいい。

            採点 6.5(10点満点平均6)

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ぼくの妹  第9話

演出:金子文紀
作:池端俊策

思っていたよりも九鬼(千原ジュニア)の出番が多かった。
でも、そのことでむしろ
盟(オダギリジョー)と颯(長澤まさみ)の心理は描けたし、
九鬼も登場人物のひとりとしてしっかり描かれたと思う。

九鬼が肺ガンになるという展開はやや不満だったけど、
颯が盟の部屋のトイレで泣くシーンから
颯が姿を消して機美(西原亜希)の部屋に転がり込み、
その間に盟と九鬼のシーンを挟むという流れは
じつにこのドラマらしさが出ていて良かった。

盟の部屋からバスに乗って帰る颯に機美が追いついて、
2人がバスの中で話したあとのシーンはなかったんだけど、
機美が食材などを玄関においてすぐ戻ってくると告げたまま
帰ってこなかったという描写があったので、
あれだけで機美のキャラクターもかなり描けたと思う。

こういう省略した見せ方はすごくいいと思う。
かなり図々しさが前面に出た役だけど、
機美のキャラクターはドラマ全体のアクセントにもなっていて
なかなかいいと思う。

            採点 6.5(10点満点平均6)

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ぼくの妹  第10話

演出:清弘誠
作:池端俊策

九鬼(千原ジュニア)の手術が成功して
盟(オダギリジョー)に感謝する颯(長澤まさみ)と
最後に兄妹の縁を切るとまで言う颯、
その両方の気持ちがすごくよく分かる形で描かれているのがいい。

盟が退院する前の九鬼と病室で話すシーンと
最後に颯の背中に向かって負けるなと祈るシーンも
兄らしさが全開だったし、
終盤になってさらに兄妹の描き方は繊細になってきたと思う。

盟が九鬼に話した内容から
盟が春奈(笹本玲奈)に結婚できないと告げる流れも自然だった。
このドラマで春奈は脇役だけど、
春奈のキャラクターもしっかり描かれているので、
あの別れのシーンも印象的だった。

ドラマのストーリーとは別にして、
春奈と別れるのはもったいないんじゃない、と思わせるくらい、
少ないシーンだったけど春奈も魅力的に描かれていたと思う。

最終回は単純なハッピーエンドより、
とにかく最後まで兄妹の深い愛情を描いて欲しい。

            採点 7.0(10点満点平均6)

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ぼくの妹  最終話

演出:金子文紀
作:池端俊策

タイトル通り兄と妹の関係に絞って描いた、
妙にリアリティのあるいい最終回だった。

颯(長澤まさみ)が庭師の築山(波岡一喜)と
結婚すると言い出したくだりも、
颯のキャラクターが出ていて良かったと思う。

これからもあんな風に
颯は盟(オダギリジョー)に心配をかけていくんだろうし、
それに振り回されながらも盟は颯の世話を焼いて、
お互いに支え合っていくんだろうということがよく出ていた。

結婚はしないけど颯がウエディングドレスを着るシーンもあって、
あの2人だけの家族写真は沁みるものがあった。

九鬼(千原ジュニア)は盟にだけ挨拶をして
田舎の実家に去っていったけど、
颯と九鬼の別れのシーンがなかったことで、
将来を想像できる範囲を残したところも良かったと思う。

花畑は九鬼の父親である櫻井(大滝秀治)が残したものだし、
颯と九鬼の将来が100%ないとも言い切れない。
もちろん、ドラマとしてはそこにこだわる必要もなく、
男運のない妹を兄が心配しながらも見守るという
その兄妹関係は描けていたので良かった。

盟があのまま地方医療の現場にシフトしていくのか、
機美(西原亜希)との関係がどうなるのかなどを
ハッキリ描かなかったのも良かったと思う。

ストーリーとしての盟と颯の結末をハッキリ描かなかったことで、
むしろ兄と妹の永遠のつながりが浮き立ったと思う。

全体的には、そういうテイストが分かってきた
4話以降あたりからはすごく良かったと思う。
ただ、序盤は派手なストーリー展開で、
どこに落ち着かせたいのかがちょっと分かりにくかった。

里子(ともさかりえ)の死も、
盟・颯の兄妹と九鬼の関係をつなぐ意味や
九鬼のキャラクターを描く上では重要だったけど、
あそこまで事件性を高める必要があったのかどうかは疑問だった。

弁護士の瀬川(田中哲司)も
颯のキャラクターを描く上では確かに意味があった。
でも、鈴木砂羽を起用した妻も含めて、
ドラマとしては使い方が中途半端だった気もする。

盟、颯、九鬼、春奈(笹本玲奈)、機美で進行した
後半はすごく面白かっただけに、
序盤のテイストの違いがちょっと残念だった。

            採点 7.5(10点満点平均6)

                脚本  ★★★★☆
                演出  ★★★★☆
                配役  ★★★★★
                音楽  ★★★★☆
                主題歌 ★★★★☆
                新鮮さ ★★☆☆☆
                話題性 ★☆☆☆☆

          平均採点 6.50(10点満点平均6)

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