2009/09/22

任侠ヘルパー  最終話

演出:西谷弘
脚本:古家和尚

とにかく目の前の弱い人を助けなくて何が任侠か、
という部分でまとめた内容は良かったと思う。

彦一(草なぎ剛)たちが「タイヨウ」に立てこもって
機動隊に突入されるシーンも、
エンターテイメントとしての見せ方と
弱きを助けて強気を挫く象徴としてはあって良かった。

ただ、最後は時間がなくなってかなりバタバタした感じ。
隼會の組長メンバーにインテリの六車(夕輝壽太)を配置していたのは
前回から意味が出てきて効果的だったけど、
六車が新しく立ち上げた介護の会社の詳細や、
その会社に晶(夏川結衣)の秘書だった弥生(中別府葵)がいる経緯など、
説明不足なところが多かったと思う。

彦一たちの立てこもりから
新聞が行政への批判記事を書くまでの過程も、
さすがに端折りすぎだった。

鷹山(松平健)の真意は想像できる描き方だったものの、
幹部になったりこ(黒木メイサ)と杯を交わすシーンに工夫がなかったり、
和泉(山本裕典)の身の振り方に明確なものがなかったりしたので、
ちょっと中途半端になったような印象もあった。

まあ、鷹山はヤクザな世界に身を置く頭なので、
幹部になるなら本物の任侠道を悟れ、
というのが研修の目的だったんだと思う。

だから、あそこまでいけば誰が幹部になっても
鷹山としてはよかったはず。
結果的に足を洗う選択をする人間が出たとしても、
任侠道を極めるなら鷹山も見逃すと思うし。

そういう意味では、
最後にまたチャラチャラしていた三樹矢(藪宏太)のワンカットも、
お前はまだダメだけど、と言っているようで悪くなかった。

全体的には介護を扱ったテーマと
そこに任侠の世界を重ねた視点、
エンタメも意識した作りと、
企画は意欲的で志も高かったと思う。

連ドラとしての縦軸だけでなく、
各回で扱った介護に関するテーマに対しても
予想以上に深く切り込んでいたし、
その点でもマジメに取り組んでいた作品だった。

彦一のタバコの吸い方や、
任侠ヘルパーたちの口調などは最後まで違和感があったけど、
内容的にはすごく見応えのあるドラマだった。

            採点 7.0(10点満点平均6)

                脚本  ★★★★☆
                演出  ★★★★☆
                配役  ★★★☆☆
                音楽  ★★★★☆
                主題歌 ★★☆☆☆
                新鮮さ ★★★☆☆
                話題性 ★★☆☆☆

          平均採点 6.86(10点満点平均6)


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2009/09/15

任侠ヘルパー  第10話

演出:石川淳一
脚本:古家和尚

彦一(草なぎ剛)たちの正体がバレたあと、
和泉(山本裕典)も自らヤクザだと名乗って
すぐに「タイヨウ」を辞めてしまったのは意外だった。

というか「タイヨウ」に彦一たちの写真を送ったのが、
鷲頭組を波紋になった者たちの仕業というのも意外といえば意外。
確かにあの場にいたのは隼會か鷲津組の人間だけど、
そのあとにマスコミにも写真を送ったりして、
報復としてはショッカーが幼稚園のバスを襲うくらいに
やることが小さかった。

とにかく、これまでのことがなかったかのように
晴菜(仲里衣紗)まで怖がるわ差別するわで、
ちょっと予想した終盤とは違う展開に。
近隣住民の追い出し運動だけでなく、
晶(夏川結衣)の元夫が厚労省の役人(陣内孝則)だったり、
バタバタと話が広がった感じだった。

鷹山(松平健)の思惑もそんなにひねりがなさそうなので、
普通に彦一たちが弱きを助けるようになるだけのラストなのかも。
りこ(黒木メイサ)が彦一に“いつまで待てばいいんだ”とまで言ったので、
涼太(加藤清史郎)の絡みでそこらへんに見どころは出るかもしれないけど。

一話としての内容も濃かったこれまでと比べて、
今回は最終回に向けてちょっと無理やり状況を作ったような印象だった。

            採点 6.5(10点満点平均6)


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2009/09/08

任侠ヘルパー  第9話

演出:葉山浩樹
脚本:古家和尚

看取り介護で戻ってきた山浦さん(峯のぼる)が
「タイヨウ」で亡くなるまでをじっくり描いていた。
ここは家族の描き方が絶妙だったと思う。

分かりやすくどちらかに振れてしまったら
安っぽくなってしまうところを、
看取り介護にすることが正しいのかどうか、
見舞いに来たかったけど来られなかった、
でも頑張れば来られたのではないかなど、
家族の迷いや後悔や現実を入り混ぜて描いていたのが良かった。

母親の介護から逃げてしまったらしい晶(夏川結衣)が、
まずは介護する側を助けたかったと
「ハートフルバード」を設立した思いを語った回でもあったので、
前回に続く形でここを丁寧に描いたのは良かったと思う。

尾国(鈴木一真)に捕まったりこ(黒木メイサ)らを救うために
彦一(草なぎ剛)たちと尾国の組員が乱闘になる展開もあったものの、
ここは鷹山(松平健)と鷲津(竜雷太)が手打ちをすることで落着。

でも、鷹山の最終的な目的が鷲津との手打ちとは思えないし、
零次(山本裕典)は5年前からヘルパーをしているらしいし、
鷹山の真意は最後まで引っ張りそう。

ていうか、彦一たちが暴れる写真を
「タイヨウ」に送ってきたのは誰なのか、
というのも気になるところだけど。

で、ラストでは晶が涼太(加藤清史郎)のことを
分からなくなってしまうシーンもあった。
本当に中身は盛りだくさんなんだよなあ。
今回の救出大作戦で、
りこはますます彦一が気になっちゃいそうな感じだし。

晴菜(仲里衣紗)が彦一の素性を知ったのは、
そういう切り口でも進展したと言えるのか。

            採点 7.5(10点満点平均6)


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2009/08/31

任侠ヘルパー  第8話

演出:西谷弘
脚本:古家和尚

またまた重い内容だった。
それでも、高齢者の終末を切り口にしつつ、
ドラマとしてのエンターテイメント性も確保していたと思う。

まず、鷲津組が組長の鷲津(竜雷太)を「タイヨウ」に入れたまま
若い衆をひとりも付けなかったのは、
最初からりこ(黒木メイサ)に襲わせるためだった。

その時点で鷲津は“家族”から捨てられていたわけだけど、
久米(田中哲司)が鷲津組の人間に刺されていたことを知って、
りこも“家族”を守るために鷲津を襲うという構図。
このあたりは任侠に生きる人間がヘルパーになるという
ドラマのコンセプトをうまく活かしていたと思う。

自分が組員たちから捨てられたことを自覚した鷲津が
同室になった山浦(峯のぼる)の境遇に感情移入して、
見舞いにもほとんど来ず、延命治療だけを望む家族に怒りをあらわにした時、
どうするかは家族が決めることだと彦一が言ったシーンはかなり重たかった。
安易にこの家族を責められない雰囲気でもあっただけに、
考えさせられる内容になったと思う。

ただ、そのあとで礼を言いにきた息子(梶原善)が
父も喜んでいると思うと言った時に
どうしてそんなことが分かる、そう思いたいだけだろうと、
彦一が声を荒げたシーンは、
それなりのメッセージ性があった。

若干、不満だったのは、晶(夏川結衣)に関する部分。
社内で晶の病気がバラされてしまうところは
そんなに膨らます必要もないのであの程度でもいいけど、
涼太(加藤清史郎)の行動を見て晶が彦一に感謝するようなところは
ちょっと急ぎすぎたように思う。

彦一と晶の対立はこれまでも大きな軸だったので、
もう少し丁寧に描いて欲しかった。

で、彦一たちが来る前から「タイヨウ」で働いていた零次(山本裕典)が
実は鷹山(松平健)の舎弟だったことが明らかになった。
鷹山の真意はまだ分からないけど、
それによって見終わったあとの満足感はかなり変わりそう。

縦軸が多いと言えば多いので、
整理しながらうまくまとめて欲しい。

            採点 7.5(10点満点平均6)


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2009/08/24

任侠ヘルパー  第7話

演出:石川淳一
脚本:古家和尚

晶(夏川結衣)の過去を踏まえた上での介護疲れの話。
家族が面倒をみるにしても限界があるので、
休んでもいい、誰かに手助けしてもらってもいい、
という切り口で描いた内容は、
晶が実際に自分の母親とどう向かい合ったのかどうかは別にして
悪くなかったと思う。

親の面倒をみるという意味では
いずれ涼太(加藤清史郎)もその立場になるわけで、
涼太が夏休みを利用して「タイヨウ」で手伝いをする部分も
それなりに意味があった。

ただ、全体の味付けというか、見せ方は、
ちょっと極端だった気もする。
晶の記事を見て押し掛ける利用者とか、
初美(西田尚美)の職場の同僚とか、
晶の親戚とかの描き方はとくに。

あと、いつの間にか彦一(草なぎ剛)が
利用者に好かれているというのもかなり強引だった。
彦一の信念や変化してきた行動は描けてると思うので、
そういうポジションにしなくてもいいと思うんだけど…。

もしかしたらこのあたりは
ドラマの結末に向けての布石なのかな。

            採点 6.5(10点満点平均6)


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2009/08/17

任侠ヘルパー  第6話

演出:葉山浩樹
脚本:古家和尚

シルバー世代の色恋はドラマで描くのが難しいけど、
何とか純愛テイストにして収めた感じ。
多恵子(木村夏江)が亡くなったと聞いた風間(ミッキー・カーチス)が、
待ち合わせ場所の美術館の前で“もう少し待つか”と言ったシーンは
ちょっと格好良かった。

サブストーリーで入っていた二本橋(宇梶剛士)の話は、
二本橋が堅気になることで
最終的に彦一(草なぎ剛)が足を洗う可能性があることも
示すのかと思ったけど、
元妻の幸せを願うという形で堅気にはならなかった。

まあ、みんな堅気になってしまったら
鷹山(松平健)の本心も何もなくなってしまうので、
極端な終わり方にする必要もないんだけど。

そして、彦一には病状を打ち明けるものの、
刺青のことを誰にも言わないかわりに
涼太(加藤清史郎)に病気のことは話さないでくれと頼む晶(夏川結衣)と、
涼太には頼られる彦一。

ここにりこ(黒木メイサ)の気持ちも絡んでいるので、
単に彦一がどういう行動に出るかだけでなく
もっといろいろな見応えは出てきそう。

そのためにも晶の過去をもう少し描かないといけないので、
同じように認知症だったという晶の母親のことや
その時の晶の対応も次回から少しずつ描かれると思う。

一気にその話だけにはならないと思うけど、
毎回のテーマと縦軸のバランスはうまく取って欲しい。

            採点 6.5(10点満点平均6)


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2009/08/10

任侠ヘルパー  第5話

演出:石川淳一
脚本:古家和尚

老老介護を切り口にしたストーリーで、
そこに彦一(草なぎ剛)の生い立ちを加えた
彦一と実母・さくら(賠償美津子)の母子関係、
晶(夏川結衣)と涼太(加藤清史郎)の母子関係を
重ねていくような内容だった。

その中で晶がかつて親を捨てたことがあることも示され、
晶がハートフルバードを立ち上げた想いも垣間見られた。

そんな晶の過去を踏まえた上で
彦一は憎んでいた母親と和解するような結末になったわけだけど、
彦一がさくらとずっと一緒に暮らしてきた小澤(上田耕一)に
“お袋をこれからもよろしくお願いします”と
口に出してハッキリ言うところまで描くとは思わなかった。

これはかなり大きな変化だったと思う。
もちろん、自分の母親のことだからこその変化だけど、
介護と家族の関係はこれまでもずっとキーワードだったので
ムリのないキッカケだった。

そして新たに晶が若年性認知症を発症している疑いが出てきた。
これも予想してなかった展開だけど、
介護の問題を扱っているんだから
お年寄りだけに限定した内容にしなかったのは
当然といえば当然か。

作品の縦軸にも動きが出てきたので、
見どころは増えてくるかも。

            採点 7.0(10点満点平均6)


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2009/07/31

任侠ヘルパー  第4話

演出:葉山浩樹
脚本:古家和尚

夏川結衣が主演した「春さらば」と同じように、
お年寄りからお金をだまし取っていても
精一杯お世話はしている介護詐欺の話。

「春さらば」はお年寄りがもっと強者だったけど、
だまされたことを悲しむよりも
また来て欲しいと思ってしまうような落とし所は同じだった。

このドラマは任侠の世界に生きる彦一(草なぎ剛)が主人公なので、
とことん憎まれるのか、許してもらうのか、スジを通せと
綾(山田優)に迫るところがポイント。

でも、彦一が鷹山(松平健)に頼んで
鷲津組と話をつけてもらうようなまとめ方にしても、
涼太(加藤清史郎)が友達と仲直りするシーンにしても、
最後の方はちょっと雑な描き方だった。
もう少し丁寧にまとめて欲しかったなあ。

ラストで晶(夏川結衣)が彦一の刺青を見る展開になったけど、
そっちに話が広がっていくのはまだ早いと思う。

            採点 6.5(10点満点平均6)


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2009/07/24

任侠ヘルパー  第3話

演出:石川淳一
脚本:古家和尚

冒頭でりこ(黒木メイサ)の組での事情を説明して、
りこがヘルパーの仕事に積極的になる理由を描いたところは良かった。
最後にはそれが幹部になりたいだけではないことも示されるわけだけど、
そのあたりのバランスはいいと思う。

それにしても、りこのシマで起きた出来事を絡めていたとはいえ、
介護の大変さやお年寄りへの虐待、
そしてヘルパーがどんなに親身になっても家族にはなれないことを、
こういう形で描かれるとさすがに見ていてつらい。

「ダンディ・ダディ?」とセットなら
何となく中和される気もするんだけど、
今週はテレ朝がシンクロ中継でお休みだったからなあ。

ただ、りこがしたことがほとんど報われない結果や、
初回で晶(夏川結衣)が言っていた
場合によっては拘束することもやむを得ないという状況を
ここまでハッキリ描くとなると、
かなり覚悟を決めて作ってる感じはする。

ドラマが始まる前に流れていた“コミカルに”とか
“明るく楽しく”とかいう情報は何だったんだろう。

でも、これはこれで悪くないので、
受け取られ方は賛否両論だろうけど徹底的にやって欲しい。

            採点 7.0(10点満点平均6)


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2009/07/21

任侠ヘルパー  第2話

演出:石川淳一
脚本:古家和尚

初回の池内淳子に続き、2話も津川雅彦とゲストは豪華。
彦一(草なぎ剛)が本村(津川雅彦)を投げ飛ばすところは
刺激的な見せ方だったけど、
ドラマとしては悪くなかったと思う。

最終的に本村が自発的にオムツをつけていることが
彦一に送られてきたハガキから分かるところも、
今回のテーマだったお年寄りのプライドを描く意味でも、
晶(夏川結衣)と園崎(大杉漣)たちの考え方の違いの落とし所としても
悪くなかったと思う。

晶の考え方自体も今回はストーリーに沿って描けていた。
低料金の介護施設なら、ヘルパーがボランティア精神で働くか、
利用者がその施設にあったレベルの介護を受け入れるしかない、
というあたりのセリフは、
晶なりの現実の受け入れ方が出ていて良かった。

昔の侠客もボランティア精神だけで
弱い人を守っていたわけではないと思うので、
そのあたりの理想と現実のすりあわせは
ドラマの切り口として面白いと思う。

ただ、やっぱりこのドラマは
本気でテーマに切り込めば切り込むほど重たくはなるな。
個人的には嫌いじゃないけど。

涼太(加藤清史郎)が学校でイジメられていて
彦一との関係が深くなっていくというのは
そんなに新鮮味のある広げ方ではないけど、
涼太絡みで柔らかさも多めに出して欲しい。

            採点 7.0(10点満点平均6)


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