2009/08/10

リミット 刑事の現場2  全5回

制作統括:磯智明
演出:渡辺一貴、松浦善之助
作:遊川和彦
音楽:coba
主題歌:「愛の灯」斉藤和義
制作:NHK名古屋
出演:森山未來、武田鉄矢、加藤あい、杉本哲太、伊武雅刀、若村麻由美、
   細田よしひこ、ARATA、堀部圭亮、斉藤洋介、笠原秀幸、本田博太郎、
   森本レオ、榊英雄、甲本雅裕、黒川芽以、純名りさ、モロ師岡、他

前作の「刑事の現場」は、
期待していたわりにはそんなに印象に残らなかった。
でも、制作統括も演出も脚本も変えて作られた今作は
かなり見応えがあった。

テレビドラマなので、
ラストで愛が勝るというオーソドックスな終わり方になったのは
当然といえば当然。
それでも、途中の“もう人間は終わってる”という部分の描き方が
相当深く切り込んでいて、
そこはかなりインパクトがあったと思う。

ARATAが演じていた黒川の雰囲気も絶妙だった。
ただ、4話から5話にかけて梅木(武田鉄矢)たちを
ゲーム感覚で追いつめていったところはどうなんだろう。
出てくる前に抱いていたイメージとはちょっと違った感じだった。

15年も刑務所に入っていたわりには
ケータイの使い方や行動が機敏だったし…。
もう少しぶっこわれた感じが出てもよかったと思う。
そういう意味では3話までの印象と4・5話の印象は
少し違ってしまった。

でも、終わってる人間と踏みとどまってる人間が紙一重である部分は
加藤(森山未來)と梅木を中心に強烈に描けたと思うし、
「リミット」というタイトルにも偽りがなかった。

あと、東野(杉本哲太)や太宰(伊武雅刀)のキャラクターも
最後までしっかり描いていて、
「刑事の現場」というシリーズにもうまく落とし込めていたと思う。

とにかく続編といっても
前作よりはるかに見応えのある作品だった。

            採点 8.0(10点満点平均6)

                脚本  ★★★★★
                演出  ★★★★★
                配役  ★★★★★
                音楽  ★★★★☆
                主題歌 ★★★★☆
                新鮮さ ★★★☆☆
                話題性 ★☆☆☆☆


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2009/07/06

風に舞いあがるビニールシート  全5回

制作統括:遠藤理史
プロデューサー:岡本幸江
演出:岡田健、渡邊良雄
脚本:宮村優子、加藤綾子
原作:森絵都「風に舞いあがるビニールシート」
音楽:菅野よう子
主題歌:「i say,"yes"」布施明
制作:NHK
出演:吹石一恵、クリス・ペプラー、片平なぎさ、佐野史郎、吉沢悠、
   平岩紙、篠原ともえ、塩見三省、宮崎美子、長谷川朝晴、大島優子、
   趙珉和、オレンヂ、ダンテ・カーヴァー、カプール・シャクンタラ、
   サヘル・ローズ、ソイラ・レア、浅利陽介、他

森絵都の直木賞受賞作「風に舞いあがるビニールシート」から
表題作をドラマ化したもの。
結論から言うと、第1話の構成がもったいなかった。

里佳(吹石一恵)がキャリアアップを目指して
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に面接に来るところから始まって、
里佳がエド(クリス・ペプラー)と結婚するまでを
第1話の中で順番に描いたことで、
どこに焦点を当てたいのかが曖昧な出だしになってしまったと思う。

オーソドックスではあるけど、
里佳がUNHCRでバリバリ働くところから始めて、
あとから里佳が転職を考えた動機や
面接シーンなどのエドとの出会いを描き、
2人の価値観の違いや距離が近づく様子を描けばよかったんじゃないだろうか。

男女の物語ではあるけど、
やっぱりUNHCRの活動を通して
見て見ぬ振りをしてはいけない景色に気づき、
ひとりの女性が新たな一歩を踏み出す話でもあると思うので、
そのあたりの世界観を初回でしっかり出すべきだったと思う。

NHKのドラマで体の相性などは描写できないので、
2人関係の進展が多少強引になってしまうのは仕方ない。
でも、2人の結婚を2話目の前半に持ってくるだけでも
ずいぶんと印象は違ったんじゃないだろうか。

離婚に至るまでの描き方や、
離婚後もエドが緊急連絡先のトップを里佳にしていたエピソードなど、
里佳が改めてエドのことを知る部分はむしろ丁寧に描いていただけに、
出だしの構成は本当に残念だった。

捨て犬に関するボランティアをする主婦とか、
みんなで野球をするシーンとか、
原作に含まれる別の作品のエッセンスも取り入れていたけど、
とりあえず登場人物の配置はなかなか良かったと思う。

里佳の日本人の上司として出てきた神谷(片平なぎさ)や、
通信社の記者として最初から登場した寺島(吉沢悠)だけでなく、
里佳の両親(塩見三省・宮崎美子)や
同級生の恵利子(篠原ともえ)と尚美(平岩紙)も、
うまくストーリーに絡めていた。

とくに、正式な国際職員になることをためらう里佳に
父親が“言い訳に親を使うな”と突き放すところや、
エドが死んだあとも仕事をする里佳をなじった恵利子が
ビルを出たあとに“そんなつもりじゃなかったの”と震えるところなどは
すごく印象的だった。

ドラマとしての肉付けは悪くなかったし、
日本語と英語が混ざる内容ながらもそんなにゴツゴツした感じなかったし、
今まであまりスポットが当たらなかった舞台を描いた作品としては
意欲的なドラマだった。

            採点 7.0(10点満点平均6)

                脚本  ★★★★☆
                演出  ★★★☆☆
                配役  ★★★☆☆
                音楽  ★★★☆☆
                主題歌 ★★★★☆
                新鮮さ ★★★☆☆
                話題性 ★☆☆☆☆


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2009/06/26

刑事一代 平塚八兵衛の昭和事件史  第一夜・第二夜

チーフプロデューサー:五十嵐文郎
プロデューサー:藤本一彦、中山秀一、大野秀樹
監督:石橋冠
脚本:長坂秀佳、吉本昌弘
原作:佐々木嘉信「刑事一代 平塚八兵衛の昭和事件史」
音楽:吉川清之
制作協力:5年D組
制作:テレビ朝日
出演:渡辺謙、高橋克実、原田美枝子、柴田恭兵、萩原聖人、山本耕史、
   大杉漣、小泉孝太郎、相武紗季、杉本哲太、余貴美子、榎本孝明、
   木村多江、永島敏行、平泉成、小野武彦、宅間伸、佐々木すみ江、
   大和田伸也、梨本謙次郎、浅野和之、渡辺哲、六平直政、長門裕之、
   鳥越俊太郎、宍戸開、池内博之、升毅、矢島健一、中原丈雄、深水三省、
   中西良太、菅原大吉、六角精児、岩崎加根子、大森暁美、中島ひろ子、
   野村宏伸、根岸季衣、デビット伊東、長谷川朝晴、半海一晃、竹内晶子、
   山田明郷、相島一之、朝加真由美、松澤一之、大高洋夫、浜田学、
   山本龍二、星井七瀬、芦川誠、森次晃嗣、伊武雅刀、他

一昨年の「点と線」も良かったんだけど、
これはドキュメンタリー要素もあったせいか訴えてくるものも多くて、
すごく見応えがあった。

こういう一代記はひとつひとつのエピソードが流れがちだけど、
そんなことはまったく感じさせない構成も素晴らしかったと思う。
最初と最後の八兵衛(渡辺謙)に関する証言シーンも効いてたし、
事件と事件のつなぎ方も見事。

そして、吉展ちゃん誘拐事件の取り調べはやっぱり圧巻だった。
あの狭い空間でのシーンも飽きさせない作りは、
実に繊細な作業だったと思う。

キャストは渡辺謙の見事な演技はもちろんのこと、
わずかなシーンしか出てこない役者までほとんどスキがなくて、
単に豪華なキャストという言葉では収まらないくらいの密度の濃さだった。
なかでも印象的だったは、やっぱり高橋克実と余貴美子。

「フルスイング」の時の高橋克実も良かったけど、
こういう豪快さと繊細さを併せ持つ役をやらせたら最強だなあ。
もちろん、それもケンカ八兵衛とも呼ばれた八兵衛を
渡辺謙がきっちりと演じていたからこそ光ったんだけど。

八兵衛に偽証を見抜かれる八重子を演じた余貴美子も、
指先まで成りきった演技をしていて引き込まれた。
基本的には男ばかりの作品だっただけに、
第一夜の余貴美子はとくに印象的だった。

平塚八兵衛という実在した刑事の物語というだけでなく、
戦後犯罪史のドキュメンタリー要素も加え、
昭和という時代、その時代に本気で生きた人間を描いた
非常に完成度の高いドラマだった。

            採点 8.5(10点満点平均6)

                脚本    ★★★★★
                演出    ★★★★★
                配役    ★★★★★
                音楽    ★★★★☆
                新鮮さ   ★★★☆☆
                話題性   ★★★★☆


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少年時代

企画:鶴啓二郎
プロデューサー:服部宣之、中津留誠
演出:富田勝典
脚本:矢島正雄
原作:池永陽「少年時代」
音楽:KOBUDOー古武道ー
制作:東海テレビ放送、アニマ21
出演:小林廉、佐藤江梨子、村川絵梨、坂本昌行、五十嵐哉那、川村悠椰、
   佐野剛基、金澤美穂、伊藤梨沙子、熊谷真実、山田昌、他

昭和40年代の夏、郡上八幡を舞台にした少年の成長紀。
中学生を主人公にしたドラマの場合、
ある程度はクオリティーに目をつぶらないといけないけど、
ちょっと全体的にはゴツゴツしすぎていた感じ。
「はだしのゲン」の小林廉はそんなに悪くなかったんだけどなあ。

でも、内容はかなり面白かった。
甘酸っぱいだけの成長物語ではなく、
子供たちの世界と大人たちの世界の問題が濃く絡みあっていて、
新橋から吉田川に飛び込む儀式に象徴された大人になるということが
痛みも伴って描かれていたと思う。

小夜子(金澤美穂)との約束を守って町を出た
美樹先生(佐藤江梨子)も魅力的なキャラクターだったけど、
その小夜子がまた人間くさくて良かった。
中学生の男女の描き分けも面白かったな。

志保子(村川絵梨)のその後は
少し希望が見えるような終わり方にしてあったけど
それもドラマとしては良かったと思う。
とにかくストーリーはかなり面白かった。

            採点 6.5(10点満点平均6)

                脚本    ★★★★☆
                演出    ★★★☆☆
                配役    ★★★☆☆
                音楽    ★★★☆☆
                新鮮さ   ★★☆☆☆
                話題性   ★☆☆☆☆

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2009/06/15

ツレがうつになりまして  全3回

制作統括:田村文孝、合津直枝
演出:合津直枝、佐藤善木
脚本:森岡利行
原作:細川貂々
エンディングテーマ:「Tema Purissima」大貫妙子
制作:NHK、テレビマンユニオン
出演:藤原紀香、原田泰造、風吹ジュン、濱田マリ、小木茂光、田島令子、
   黒川芽衣、中村麻美、設楽統、椎名法子、宮澤ミッシェル、駿河太郎、
   矢柴俊博、平山浩行、伊勢志摩、他

うつ病になった夫との闘病生活を描いた
同名コミックと続編のドラマ化。

うつ病に関することだけでなく、
それをキッカケとした夫婦のラブストーリーでもあるので、
藤原紀香と原田泰造のコンビがハマっていたのが良かった。

藤原紀香はこういう生活臭のある女性で
ちょっとかわいく見えるというくらいの役が一番合うと思う。
原田泰造もマジメさが自然と出ていて、
屋上からツレ(原田泰造)が電話をして
それをてんさん(藤原紀香)が受けるシーンや、
てんさんが初めてツレの日記を読むシーンなどは印象深かった。

こういう作品は民放ではなく、
NHKでドラマ化して正解だったと思う。
強いて言えば、音楽がちょっとゴチャ混ぜだった感じ。
エンディングの曲は良かったので、
大貫妙子で統一してもよかった気がする。

            採点 7.0(10点満点平均6)

                脚本    ★★★★☆
                演出    ★★★★☆
                配役    ★★★★☆
                音楽    ★★★☆☆
                新鮮さ   ★★☆☆☆
                話題性   ★★☆☆☆


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2009/04/13

駅路

プロデュース:喜多麗子
演出・脚色:杉田成道
脚本:向田邦子
脚色:矢島正雄
原作:松本清張「駅路」
制作:フジテレビ
出演:役所広司、深津絵里、十朱幸代、石坂浩二、木村多江、高岡蒼甫、
   北川弘美、根岸季衣、大口兼悟、佐戸井けん太、田山涼成、
   ふせえり、中島ひろ子、唐十郎、田根楽子、大林丈史、佐々木勝彦、
   石井愃一、菅原孝、他

松本清張の生誕100周年、向田邦子の生誕80周年を記念して、
かつて向田邦子が松本清張の同名小説をシナリオにしたものをドラマ化。
おそらく原本となっている脚本は、
NHKが昭和52年に放送した「最後の自画像」だと思われる。
ちなみにその時の演出は和田勉。

杉田成道と矢島正雄の脚色もだいぶあったようだけど、
全体的にはやっぱり見応えがあった。

とくに慶子(深津絵里)の描き方。
呼野(役所広司)にすべてを話すシーンの
“5年前には不安でなかったことが、今は違うんです”
というあたりはすごく印象的だった。

この慶子に見応えがあったので、
百合子(十朱幸代)やよし子(木村多江)との対比も際立ったと思う。
百合子は心情を吐露する場面があまりなかったけど、
ゴーギャンの絵を焼くシーンや
貞一(石坂浩二)の遺体を見た時の
慶子とのリアクションの違いなんかは、
百合子の気持ちを想像させるものがあった。

ただ、リメイクとしては
昭和の終わりを強く出し過ぎたような気もする。
「アルハンブラの思い出」は合っていただけに、
あんな風に流行歌を使う必要もなかったんじゃないかなあ。
居酒屋の店主までビリーバンバンの菅原孝だったのは
ちょっと面白かったけど…。

とにかく深津絵里が良かった。
あと、向田邦子が生きていたら
晩年はどんなドラマを書いていたんだろうと想像して
ちょっと感傷的にもなった作品だった。

            採点 7.5(10点満点平均6)

                脚本    ★★★★★
                脚色・演出 ★★★★☆
                配役    ★★★★★
                新鮮さ   ★★★☆☆
                話題性   ★★★☆☆


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2009/03/31

ごくせん 卒業スペシャル'09

プロデューサー:加藤正俊
演出:佐藤東弥
脚本:江頭美智留、横田理恵
脚本協力:松田裕子
原作:森本梢子「ごくせん」
音楽:大島ミチル
主題歌:「虹」Aqua Timez
挿入歌:「俺たちの青春」高木雄也
制作協力:AXON
制作:日本テレビ
出演:仲間由紀恵:高木雄也、三浦春馬、石黒英雄、中間淳太、桐山照史、
   三浦翔平、玉森裕太、斎藤工、生瀬勝久、宇津井健、江波杏子、
   小泉孝太郎、東幹久、平山あや、星野亜希、金子賢、阿南健治、
   内山信二、佐藤二朗、魁三太郎、石井康太、脇知弘、他

ほとんど期待してなかったんだけど、
そんなに悪くなかった。
やっぱり「ごくせん」はたまに見るからいいのか。

といってもテレビはこれが最後で、
夏に公開される映画でシリーズはすべて終了。
まあ、連ドラはもう内容的に限界なので、
丁度いい引き際じゃないだろうか。

このスペシャルは2年生役の玉森裕太と
その先輩役の斎藤工が良かったので
かなり締まったと思う。
そう考えると最後に3年D組に進級した玉森裕太が
もったいない感じもするけど、
それは映画のお楽しみということで。

新しい5人組には落合扶樹が入ってるし、
単発ならまだ何とかなるし、
映画も意外と楽しめるかも。

            採点 6.5(10点満点平均6)

                脚本  ★★★☆☆
                演出  ★★★☆☆
                配役  ★★★☆☆
                音楽  ★★★★☆
                主題歌 ★★☆☆☆
                新鮮さ ★☆☆☆☆
                話題性 ★★☆☆☆


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だんだん  全25週(150回)

制作統括:青木信也
演出:長沖渉、櫻井賢、田中正、大原拓、
   末永創、藤並英樹、橋爪伸一朗、桑野智宏
作:森脇京子
音楽:村松崇継
主題歌:「縁の糸」竹内まりや
挿入歌:「いのちの歌」
語り:竹内まりや
制作:NHK大阪
出演:三倉茉奈、三倉佳奈、山口翔悟、久保山知洋、東島悠起、吉田栄作、
   石田ひかり、鈴木砂羽、三林京子、藤村志保、夏八木勲、伊武雅刀、
   京野ことみ、木咲直人、岸部一徳、石倉三郎、宮田圭子、阿南健治、
   河合美智子、佐川満男、曾我廼家八十吉、辻沢響江、平岳大、円広志、
   Mr.オクレ、久保田晃代、伊藤麻衣、チェン・チュー、寺田有希、
   多賀勝一、木村文乃、茂山逸平、正司花江、西岡慶子、他

島根と京都を舞台にした79作目の朝ドラ。
96〜97年の「ふたりっ子」でヒロインの子供時代を演じた
三倉茉奈と三倉佳奈が、
史上初めて2度目のヒロインを演じた。

ひとことで言うと、いろんな要素を入れすぎて
収集がつかなくなったような作品だった。

縁結びの神として知られる島根の出雲が物語の発端で、
人の縁(えにし)が全体を通したテーマ。
そこに登場するのが生まれてすぐに
離れ離れになってしまった双子の姉妹で、
演じるのはマナカナ。
ここまではNHKの朝ドラとして
何も間違ってなかったと思う。

あとは物語の色合いを決める背骨が
何かひとつあればよかったんだけど、
歌の力とか、命の大切さとか、
大小いろんな要素を入れてしまって、
それをひとつにまとめられなかった感じだった。

もうひとつの舞台が京都の祇園だったので、
芸の道という意味ではめぐみ(茉奈)とのぞみ(佳奈)が
歌手を目指すパーツもアリだったのかもしれない。
でも、それが歌謡史を振り返るがごとく
長い時間をかけて引っ張ったので、
SJがキャンディーズのように派手に解散引退して、
話が序盤に少し振っていた医療関係に移行した時は、
どこに向かっていくんだよという感じだった。

若い主人公が迷いながら自分の道を探していくという物語自体は、
ある意味、リアルでもあるので悪くはないと思う。
でも、主人公の歌手活動に時間をかけすぎて
ドラマとしては筋が曖昧になってしまった。

サブタイトルがすべて歌の題名になっていたくらいだから、
どちらかひとりが歌の世界に残れば
まだ何とかなったかもしれないけど、
めぐみは最初から介護関係の仕事が希望で、
のぞみを祇園生まれにしてしまったのでそれもムリだった。

じゃあ、俊(東島悠起)がそれを担っていたのかというと、
別にそんなこともないし。そもそも歌ってないし。
イーリン(チェン・チュー)なんか
途中からどっかいっちゃってたのに、
最後の節分で一緒に踊ってた時はちょっとビックリしたもんなあ。

節分って言えば、
序盤であんなに重要だった「赤いスイートピー」で
涼乃(木村文乃)が花を配ってるのにもビックリした。
どんだけ重要度が下がったんだって感じ。

振り返ってみれば、
3週目にめぐみとのぞみと入れ替わっても
忠(吉田栄作)と真喜子(石田ひかり)は一目で気づくあたりが、
ベタだけどピークだったような気がする。

普通にやれば十分平均以上の作品はできそうな枠組みだっただけに、
ゴチャゴチャの内容にしてしまったのが残念だった。

            採点 5.0(10点満点平均6)

                脚本  ★☆☆☆☆
                演出  ★★☆☆☆
                配役  ★★★☆☆
                音楽  ★★★☆☆
                主題歌 ★★☆☆☆
                新鮮さ ★☆☆☆☆
                話題性 ★★☆☆☆


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2009/03/26

春さらば 〜おばあちゃん 天国に財布はいらないよ〜

プロデューサー:橋本かおり、朝倉雅彦、井上由紀
監督:阿部雄一
作:井上由美子
音楽:羽毛田丈史
制作協力:ザ・ワークス
制作:テレビ東京、博報堂DYメディアパートナーズ
出演:夏川結衣、市原悦子、原田芳雄、山本學、畠山彩奈、小泉孝太郎、
   塚本高史、高橋ひとみ、温水洋一、山村美智、大路恵美、伊藤正之、
   芹沢礼多、村松恭子、一青妙、喜多道枝、神谷亮太、他

テレビ東京開局45周年記念ドラマ。
井上由美子のオリジナルで、夏川結衣主演、
市原悦子、原田芳雄、山本學が共演ということで、
テレビ東京だけどちょっと期待して見た。

正直、ラストはきれいにまとめすぎだと思ったものの、
物語の構造自体はすごく練られていたと思う。

基本的には介護の現場を舞台にした
老人たちとホームヘルパーの騙し合いがメインで、
主人公のかすみ(夏川結衣)が
はたして天使か悪魔かという部分が最大の見どころ。

そのかすみが介護を担当する利用者のことを
“かよわいお年寄りだとは思ってない、
複雑怪奇な世の中を渡ってきた百戦錬磨の強者、
一対一の戦いを挑むのみ”と考えて
ひとりひとりと真剣に向かい合っていたので、
視聴者がどう受け取るにしても説得力が出て見応えがあった。

原川(山本學)がかすみに贈った絵でも、
背中にあるのは天使の羽か、背負っている荷物か、
という見せ方をしていたけど、
この原川の存在はかなり効いていたと思う。

最後に騙し返したといっても
かなりかすみを信用していたりく(市原悦子)と、
お金を渡す時から明らかに疑っていた海野(原田芳雄)。
この2人だけでなく、
かすみに全財産を譲ると遺言を残して死んでいった
原川がいたのが良かった。

はたして原川はかすみの真意に気づいていたのかどうか。
いずれにしても原川が最後まで孤独ではなかったのは確かで、
だからこそラストでりくと海野が被害届けは出さずに
かすみに罪滅ぼしをしてもらうと言ったところは説得力が出て、
物語の構造をより深くしたと思う。

それにしても、市原悦子は最高だったなあ。
シナリオ上のキャラクター分けだけじゃなく、
市原悦子がいたことでこの3人のバランスはすごく良かった。

あと、高橋ひとみもうまかったと思う。
姑であるりくにかなりきつく当たる役だったけど、
そんなに不快感がなかった。
ヘンに紋切り型のイヤな嫁にならず、
本気でりくとぶつかっていたのが良かったような気がする。
まあ、市原悦子効果なのかもしれないけど。

介護現場での詐欺という
テレビドラマとしてはやや冒険したモチーフを使いながら、
逆説的に介護の問題を考えさせ、
人間同士の深い関わり合いを描いた
なかなかの秀作だった。

            採点 7.0(10点満点平均6)

                脚本  ★★★★☆
                演出  ★★★★☆
                配役  ★★★★★
                音楽  ★★★☆☆
                新鮮さ ★★★☆☆
                話題性 ★☆☆☆☆


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絶対彼氏  最終章スペシャル

企画:金井卓也
プロデュース:橋本芙美
演出:土方政人
脚本:根津理香、深沢正樹
原作:「絶対彼氏」渡瀬悠宇
音楽:福島祐子、audio highs
主題歌:「おかえり」絢香
制作:フジテレビ、共同テレビ
出演:速水もこみち、水嶋ヒロ、相武紗季、国仲涼子、内田朝陽、
   佐々木蔵之介、真矢みき、中村俊介、山本圭、篠井英介、寺田農、
   峯村リエ、上野なつひ、猫背椿、佐戸井けん太、河本麻希、英玲奈、
   入江甚儀、綿貫正市、加治将樹、桜木涼介、他

08年4〜6月期に放送された連ドラの続編SP。
やらない方が無難なのにやっぱりやってしまうのが
テレビドラマの悲しいところか。

天才科学者の神谷(国仲涼子)と
神谷がかつての恋人を想って作ったロボット、
純(内田朝陽)も登場して、
自我に目覚めたロボット側の気持ちは
それなりに描けたと思う。

でも、梨衣子(相武紗季)や創志(水嶋ヒロ)は
何とも雑な描き方だった。
梨衣子の成長も中途半端だったし、
創志はどこまで人がいいんだって感じだったし。

どうしても続編を作るなら、
せめて創志はナイト(速水もこみち)の再起動を
ハッキリとは知らないまま話を作った方がよかったと思う。

そうすれば創志側からは梨衣子が久しぶりに日本へ帰ってきて
ナイトのことを思い出してるのかと不安を抱く程度で、
梨衣子側からはすべてを想い出として封印しようとしていたのに
ナイトがまた現れて混乱する、という構造で見せられたと思う。

社長(山本圭)があっという間に病院へ運ばれたり、
梨衣子がビルから落ちても助かったりするようなところを
もっとうまく使えば、
創志がナイトの復活を想像するような見せ方は
いくらでもできたと思うし。

その上でナイトがロボットであることの現実を改めて受け止め、
梨衣子の幸せを願うなら自らを完全に破壊するしかない、
と決断する結末に持っていっても
十分に話は繋がったと思う。

あと、ナイトと創志の違い。
自我が芽生えたと言っても、
ナイトの“愛してる”はあくまでもプログラムによるもので、
100年経っても無条件に愛し続けてくれる。
でも、創志は違う。人間なので。

だから梨衣子は創志にきちんと向き合わなければいけないわけで、
そこをもっとハッキリと描くべきだった。
恋人型ロボットという設定は
まわりの人間をしっかり描いてこそ活きる設定なのに…。

軍事機密を盗んだとか、
「アサモト」の新メニューが発表できないとか、
たいして本筋に活かせてない話ばかり入れて
肝心なところを雑にやってしまったのが何とも残念だった。

            採点 6.0(10点満点平均6)

                脚本  ★★☆☆☆
                演出  ★★★☆☆
                配役  ★★★★☆
                音楽  ★★★★☆
                主題歌 ★★★★★
                新鮮さ ★★☆☆☆
                話題性 ★☆☆☆☆

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