4〜6月期を振り返る
期待できる作品は多かった4〜6月期、
終わってみると仕上がりにはかなり差が出た感じだった。
まず視聴率は当然のごとく
木村拓哉主演の「エンジン」が頭ひとつ抜けていて、
ひと桁は深夜枠の「雨と夢のあとに」だけに留まった。
エンジン 22+%
恋におちたら 16+%
anego 15++%
曲がり角の彼女 14+%
離婚弁護士2 13+%
アタック No.1 13+%
タイガー&ドラゴン 12++%
瑠璃の島 12++%
あいくるしい 11++%
夢で逢いましょう 11++%
汚れた舌 10+%
雨と夢のあとに 9++%
今期は良くも悪くも作品の色を強く出したものが多く、
それゆえに好き嫌いがハッキリ出たクールだったかもしれない。
宮藤官九郎の作品はいつものように思ったほど視聴率が伸びず、
野島伸司、内館牧子の作品も下位に沈んだ。
逆に数字が取れるのはやっぱり分かりやすい作品。
「アタック No.1」を「タイガー&ドラゴン」や「瑠璃の島」よりも
多くの人が見たというのはかなりスゴイことだと思う。
そして、個人的な評価点の平均はこんな並び。
タイガー&ドラゴン 7.68
離婚弁護士2 7.27
曲がり角の彼女 6.77
雨と夢のあとに 6.70
瑠璃の島 6.65
汚れた舌 6.18
恋におちたら 6.14
あいくるしい 6.14
エンジン 5.86
anego 5.85
夢で逢いましょう 5.36
アタック No.1 5.32
全編を通しての作品のクオリティーは
やっぱり「タイガー&ドラゴン」と「離婚弁護士2」が抜けていたと思う。
エンターテイメント性もあった。
「瑠璃の島」は中盤以降に脚本の質が下がってしまったのが残念だった。
敢闘賞は「曲がり角の彼女」だと思う。
今期は30代独身女性モノがかぶりまくりだったわけだけど、
「anego」のようにタイトルで飛び道具を使わず、
分かりやすいコメディーテイストにしながら
内容も兼ね備えたのは立派だったと思う。
金にもの言わすIT社長、というキャラも今期は多く登場し、
時勢を後追いするテレビドラマの宿命というか、
テレビマンの間の悪さを露呈した。
正面切ってそこにスポットを当てた
「恋におちたら」の企画は悪くなかったけど、
脚本の質が今イチだったのが残念だった。
「タイガー&ドラゴン」の個性的な面々や
「離婚弁護士2」の天海祐希など、
実力のある役者は今期もいい演技を見せてくれた。
その中でちょっと印象に残ったのは小池栄子か。
「巷説百物語狐者異」のおぎん、
「離婚弁護士2」にゲスト出演した時の千春、
「義経」の巴など、
気の強い似たタイプではあったけど、
女優としても時折いい表情を見せるようになったと思う。
「美少女H」出身としてこれからも頑張って欲しい。
釈由美子も女優としては決してうまくないと思うけど、
「空中ブランコ」のマユミ、
「曲がり角の彼女」のなつみと、
個性を発揮して頑張った。
丁寧にやれば作品の大きな魅力になる人材ではあるので
使う方もうまく使って欲しい。
個人的には「タイガー&ドラゴン」を
たっぷり楽しんだクールだったけど、
「anego」と「曲がり角の彼女」の比較も
ドラマの作り方という意味では興味深く見られたクールだった。
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