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2007/12/18

風林火山  全50回

制作統括:若泉久朗
演出:清水一彦、磯智明、田中健二、東山充裕、福井充広、
   清水拓哉、大杉太郎、亀井朋子
脚本:大森寿美男
原作:井上靖「風林火山」
音楽:千住明
語り:加賀美幸子
制作:NHK
出演:内野聖陽、市川亀治郎、柴本幸、Gackt、仲代達矢、千葉真一、竜雷太、
   緒形拳、谷原章介、伊武雅刀、松井誠、嘉島典俊、木村了、金田明夫、
   加藤武、佐々木蔵之介、田辺誠一、高橋和也、宍戸開、近藤芳正、
   田中幸太朗、佐藤隆太、風吹ジュン、池脇千鶴、桜井幸子、藤村志保、
   浅田美代子、大森暁美、貫地谷しほり、有薗芳記、有馬自由、麻田あおい、
   真瀬樹里、市川左團次、西岡徳馬、小日向文世、永島敏行、上杉祥三、
   岡森諦、金田賢一、石橋蓮司、光石研、笹野高史、今井朋彦、利重剛、
   松尾敏伸、柄本佑、佐藤慶、テリー伊藤、西田尚美、真木よう子、
   紺野まひる、池松壮亮、水川あさみ、前田亜希、占部房子、井川遙、
   中島ひろ子、緑魔子、他

2007年の大河ドラマ、
平均視聴率は18.7%(関東)と
昨年の「功名が辻」よりも約2%下げたものの
見どころは多かった。

まず、出だしが抜群に面白かった。
ミツ(貫地谷しほり)の貢献度が高かったことは言うまでもないけど、
最初の3話はその後の勘助(内野聖陽)の生き様と
ドラマ全体のテーマをしっかり発動させる内容で、
すごく見応えがあった。

勘助が仕官するために今川や北条へ向かうところは
武田家の状況と平行して描いていたこともあって
多少バタバタした感じはあったものの、
晴信(市川亀治郎)の初陣となった海ノ口城攻めで
勘助と晴信が相対するあたりからまた面白くなった。

山本勘助を主人公にした話だけあって、
この作品は軍略・戦略・駆け引きに関することも
多く描かれていたけど、
このあたりからその面白さも出てきたと思う。

そして晴信による信虎(仲代達矢)追放。
ここはやっぱり晴信の弟・信繁(嘉島典俊)の描き方が秀逸だった。
8〜11話くらいはとくに登場人物の心理描写が丁寧で、
今年の大河はひと味違うなと思わせた内容だった。

その後、由布姫(柴本幸)の登場からは
評価が分かれるところかもしれない。
実際、主人公である勘助の想いが根底にあったため、
由布姫のポジションはやや分かりにくかった。

でも、戦国の世における女性陣の心理は、
この由布姫と大井夫人(風吹ジュン)、
三条夫人(池脇千鶴)との会話などでかなり描けていたと思う。
このあたりも愛情だけでなく駆け引きも込みで見ると
なかなか見応えはあった。

で、板垣(千葉真一)と甘利(竜雷太)の戦死。
ここはさすがに盛り上がった。
戦のシーンとしてもこのへんが最高潮だったと思う。

そして登場した賛否両論であろうGacktの景虎。
個人的には肯定派だった。
もし、景虎を主人公にした大河だったら違和感もあっただろうけど、
晴信の宿敵としての景虎だったので、
その異彩は効果的だったと思う。

とくに市川亀治郎の晴信がもしかしてテレビ向きではないのでは…、
と思ってしまうようなトーンの芝居だったので、
その対比としても効果はあった。
やっぱり声には魅力があったし、
カリスマ性も滲み出ていたと思う。

少なくともGacktがこの役に対して真摯に向き合い、
全力で演じていたのは伝わったので、
このキャスティングは成功だったと思う。

後半の勘助の越後潜入から川中島の戦い勃発までの流れは、
ドラマ前半の密度の濃さからするとやや淡泊だった気はする。
というか、やっぱり今回の大河は
序盤が神懸かり的に良かったんだろうなあ。

最終回の川中島決戦も、
エキストラが少なかったのか、カメラが引きすぎていたのか、
思ったほど戦のシーン自体は迫力が出なかったと思う。

ただ、ずっと中途半端な感じがしていた平蔵(佐藤隆太)の存在意味が
最後になってハッキリしてきたのは良かった。
別の道を歩んだことで勘助と敵対するような立ち位置だったけど、
もうひとりの勘助という見方が正しいんだと思う。

平蔵は勘助になれなかったけど、
勘助も平蔵のように家族を作り、
傷つきながらも愛する人の元へ向かうことができなかった。

そう考えると勘助の胴合いエピソードの後に
平蔵がヒサ(水川あさみ)の元へ向かおうとするシーンが来て、
その平蔵におふく(緑魔子)が気が付くという構成は
意味があって良かったと思う。

ラストカットのミツのセリフはさすがにグッと来た。
そういう意味でも序盤の3話はやっぱりこのドラマの根幹で、
入魂の出来だった。

様々な人間模様を描き込んだ脚本だけでなく、
演出も丁寧で良かったと思う。
美しさや勇ましさだけでなく、
ちょっとコミカルなシーンも違和感なく繋げていた。
晴信が虎綱=香坂弾正(田中幸太朗)を見る時の表情なども
こだわって撮っていたと思う。

キャストではやっぱり内野聖陽が見事に勘助を演じていた。
晴信と景虎がちょっと極端だっただけに、
テレビドラマとしてのバランスも内野聖陽が取っていたと思う。

貫地谷しほりはある意味最大の功労者。
真田幸隆を演じた佐々木蔵之介、
北条氏康を演じた松井誠なども印象に残った。
あと、前田亜希(リツ)や真瀬樹里(葉月)も
アクセントになるいい役作りだったな。

不満な点がないわけではないし、
見応えがある時とそうでない時が交互に来るような
不安定さもややあった。
でも、全体的にはかなり質の高い大河だったと思う。

            採点 8.0(10点満点平均6)

                脚本  ★★★★★
                演出  ★★★★★
                配役  ★★★★☆
                音楽  ★★★★★
                新鮮さ ★★★☆☆
                話題性 ★★★☆☆

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コメント

いやぁ、良かったですね、面白かったですね。ゲーム的作りでもあり、重さもあり、大変楽しめました。
晴信が指をならすシーンが忘れられません(^^;。
現代風の芝居の役者と、時代劇風の芝居の役者が入り交じっても違和感がなかったのも面白かった。
ちりとてちんとセットで、今年のNHKはかなりよろしいです。
さて、年明けは、あおいちゃんでっせ(^^;。

投稿: | 2007/12/19 01:17

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