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2009/03/16

ありふれた奇跡  第十回

演出:田島大輔
脚本:山田太一

藤本(陣内孝則)を最終的にどう描くかは
ちょっと興味があったところだけど、
今回の藤本の描き方はかなり見応えがあった。

冒頭で世の中の不景気と仕事を得る大変さを改めて強調した上で、
藤本が四郎(井川比佐志)や朋也(岸部一徳)に会いに行く展開。
最初は加奈(仲間由紀恵)と翔太(加瀬亮)のことに
首を突っ込みすぎる印象があったけど、
仕事やお金を何とかしたいという焦りにも似た感情と
決してそれが目的ではないというプライドの狭間が
実にせつない感じで描かれた。

一度は死のうとした藤本が
助けてくれた加奈と翔太に別れて欲しくないという気持ちも真実で、
だからこそ頑張って仕事とお金を手にした時の喜びと
2人に礼がしたいとランチに招待した時の藤本には
訴えるものがあった。

お金を出したり、すぐに仕舞ったり、
のぼせちゃいけない、でも一回くらい見栄を張りたいと、
すべてをさらけ出す藤本は何だか見ていても気持ちよかった。

その藤本にお金を渡そうとしたところもそうだけど、
四郎の人間くささが描かれたところも良かったと思う。
律子(キムラ緑子)がむかし苦労した頃のことを、
一度だけと話したシーンはちょっと泣けたなあ。

四郎、律子、そしてその話を聞く翔太と重夫(風間杜夫)、
それぞれを生きている人間として描いていた。
地味だけどすごくいいシーンだったと思う。

加奈が中絶していたことを知らされたり
藤本に金を渡したりした朋也が、
地道に辛抱強く生きてるんだと、
また女装を始めたりするところも人間くさかった。
加奈や翔太とのニアミスはちょっとドキドキしたけど、
朋也と重夫のこの趣味が発覚することは最後までないように思う。

前半の“ちょっとおかしい”藤本を心配して加奈と翔太が会い、
2人の感情がまた揺れていく流れも自然だった。
そして、最後に見知らぬ女性(末永遥)から
赤ん坊を託されてしまうところで最終回に。

この赤ん坊を2人が育てることはまずないと思う。
ただ、赤ん坊を抱いた加奈にどういう変化が出るか。

最終回は中城家と田崎家の話し合いが見どころになりそうだけど、
加奈が死のうとまでしたことがあることを
まだ中城家は知らないはずなので、
そのことを告げるのかどうか。
言わなくても希望の光が見えるのか。
最終回を楽しみに待ちたい。

            採点 7.5(10点満点平均6)


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