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2009/03/09

ありふれた奇跡  第九回

演出:谷村政樹
脚本:山田太一

重夫(風間杜夫)が家を出て、
律子(キムラ緑子)のところへ行ってしまう展開が、
まず驚いただけでなくすごく練られていた。

あれで四郎(井川比佐志)の孤独が際立ったけど、
翔太(加瀬亮)の子供はいらないという気持ちが
本当にのぼせていないかどうか、
改めて考えさせる流れにもなっていた。

最終的にはその重夫と律子の姿が、
夫婦の形なんて言葉じゃない、
理屈じゃないという見せ方にもなっていて、
何とも味わい深かった。

桂(戸田恵子)の不倫経験が
娘である加奈(仲間由紀恵)への言葉に
あんな説得力を出すとも思わなかった。

家族をいい意味でも悪い意味でも巻き込みながら、
お互いの傷をさらけ出したり癒されたりする過程は、
実にこのドラマらしくて良かったと思う。

一方で、静江(八千草薫)と朋也(岸部一徳)のシーンも良かったな。
家族みんなで加奈に関わっていくような嘘っぽい展開ではなく、
いろんなことを理解しながらも距離をおいてる感じが
何ともリアリティがあって、
ドラマ全体に深みを出していた。

あと、改めて現代を描いてるなと思ったのが、
加奈も翔太もひとりっ子であるという設定。
もちろん、それは2人の結婚問題にも影響してるわけだけど、
どうしてこの世界は他の人の色が見えないのだろうと
翔太がケルトの話を語ったりするシーンを見ると、
そのどうしようもない孤立感が象徴的に感じられて、
改めてその設定のうまさに唸ってしまった。

今回は藤本(陣内孝則)の言葉で
加奈と翔太が初めて会ったようなデートをしてみるわけだけど、
そのキッカケとなった藤本の明日はないかもしれない、
今が大事なんだという言葉にも、
藤本の設定から来る説得力はあった。

翔太の言葉をどうしても受け入れられなくて、
会わないでいることが平気になるまで会わないでいようという
ラストの加奈のメールがまたせつなかったと思う。

その加奈の心を翔太がどう溶かしていくか、
あるいは加奈自身がどう変わるか、
終盤に入っても依然として見どころは多い。

            採点 7.5(10点満点平均6)


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